旬をめでる 能登懐石
         
 青海楼
         
 江戸時代より続く料理店が
 隠れ家的懐石料理店として
 新たに歩みはじめました。
         
         
 2008年4月完成
 2008年4月14日開店         
                  
         
 石川県七尾市府中町

 青空に映える正面外観
         
         
 開口部は格子で覆い
 左官仕上げの白壁とあわせ
 「蔵」のような趣を持たせた。
 
 黒い軒裏は、
 建物全体を引き締める効果もある。
         

 本館駐車場より臨む外観
         
         
 新しい白壁と格子が
 今まで長く生きてきた木々と
 美しく共存する。
 
         
         
 左方向の灯りに
 誘われるように進むと、

 露地を思わせる玄関アプローチが現れる。
         
         
 自然石の飛石の周りは
 洗い出し舗装を施し
 歩きやすい露地とした。
         
 植えられたばかりの草木も
 これから 建物とともに
 育ってゆくことだろう。
         
         

 自動ドアのガラスに貼られた和紙
         
         
 昔から使われてきた車箪笥を置いても
 違和感のない空間を 目指した。
         
         

 カウンターとしてよみがえった車箪笥と
 「蔵」を思わせる荒壁。
         
 ホールは、壁、天井ともに
 シンプルなクロスを用い
 箪笥や、この荒壁を
 さらに引き立たせる。
         
 飛石風の石は錆色の御影石を使用。
 その周囲を洗い出し舗装とし、
 ホール、廊下全体の段差をなくした。
         
         

 まだ、ひびが入り続ける荒壁。
         
 完全に乾ききり、これ以上ひびが入らない状態で
 固化材を吹き付ける。
         
 この色、風合い、手触りが
 昔のおじいちゃんの家を 想い出させる。
         
         

 金沢の二俣で手漉きされる
 ケナフの和紙を使用した和室。
         
 和紙の風合いと
 無垢のフローリングが
 あたたかな空間を創り出す。
         
 照明はビーム球と蛍光灯を用い
 雰囲気のなかに、快適な明るさを持たせた。
               
 この部屋より、
 坪庭を臨むことができる。
         
 庭は大谷石と栗石、
 笹のみで構成し、
 一本のみ、シダレモミジを配した。
         
 これから年を重ね、シダレモミジも
 笹たちも、美しい庭を
 形成してゆくことだろう。

 16畳の広さを持つ 広間。
         
         
 刷毛引きの左官壁を
 濃茶の和紙天井が引き締める。
         
 黒漆喰を荒々しく塗った床の間は
 そこに飾る物を引き立たせる役目を持つ。
         
 

 間接照明が部屋全体をあたたかく照らし、
 ビーム球が、テーブルの上の料理を
 美しく照らす。
 

 開店当日
 スタッフの手によって飾られ、
 「静」が「生」に変わる。
         
 完成し、引き渡した後、
 建物は成長してゆく。
         
         

 茶室の雰囲気を持たせた和室。
         
 落ち着いた色の漆喰で、壁から天井まで
 塗り廻した。
 
 6畳間の広さがある空間だが
 あえて大きめの畳を入れ
 茶室の四畳半を表現した。
         
 「グレアレス」という
 ビーム球でありながら目にやさしい
 ダウンライトを用いた。
 
 「蔵の中」をいちばん感じさせる空間だ。
         
         

 開店時に撮影した、
 飾られた床の間と坪庭。
         
 床の間は無色の漆喰を塗り、
 部屋との境は、左官のみで処理した。
         
 坪庭は、外壁と同じ色を
 外壁と同じコテむらで仕上げた。
         
         

 生きた空間へと変化し、
 お客様の目を楽しませてくれる。
         
 日本人にとって、床の間は
 大切な部屋であると
 改めて思う。
         
         

 靴を履いたまま、懐石料理を
 楽しむことができる洋間。
 細かな模様のクロスと
 プレーンシェードの手前に
 配したレースのカーテンで
 アジアな雰囲気を出した。
         
 窓の外は、懐かしさを感じさせる
 大和塀。
 

 テーブルの高さと
 棚の床の高さをあわせた。
         
 奥行きのある棚は
 床の間的に使用されることを考慮。
 小さなものから
 大振りな鉢物まで
 その季節、時期にあわせた
 飾りが可能。
         
         

 飛石の通路の先にある
 男女で色分けしたトイレ。
         
 同じ素材、同じ塗り方で
 色のみ変えた。
         
 色分けされた出隅が
 とってもきれいだ。
         
         

 男子トイレは、黒を基調に
 左官の押さえと棚板で遊んだ。
 
 今日(開店日)は
 ギボウシ、その他野草で
 こぢんまりと飾られていた。
         
         

 女子トイレ
         
 淡い色の左官と
 ゼブラウッド柄のキャビネット。
 手洗い鉢は、大振りな白い陶器のものを
 使った。
         
 間接照明を使い、
 手元、上方を心地よく照らす。
         
         

 左官と和紙、
 そして照明の演出。
         
 美しい素材と
 それらで造られた建物に
 使い手の手が加えられ
 すばらしい建物に
 育ってゆくことを
 楽しみにしている。
         
         

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